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実印を持っていませんでした。両親の相続を考えて知った、50代からの印鑑の選び方

のんびりおじさん

こんにちは、「のんびりおじさん」です。 地方の海の近くに暮らしながら、静かでマイペースな生活を楽しんでいます。このブログでは、そんな“スローな暮らし”の中で気づいたことや、日々の小さな幸せを、ぽつぽつと綴っています。

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こんにちは、のんびりおじさんです。

両親も高齢になってきて、そろそろ相続のことも考えておかないとなあ、と思うようになりました。おかげさまで、80歳を超えても、まだまだ元気ではあるのですが、こういうものは元気なうちに調べておくほうがいいですよね。

そこで、少しずつ手続きの流れを調べていたのですが、途中で手が止まりました。

相続の手続きに必要なのは、親の実印ではなく、相続する側である私の実印だったのです。

私は実印を持っていませんでした。恥ずかしながら、これまで一度も必要になったことがなかったのです。会社員をしていたころは、契約書に押すのは会社の印鑑ですし、今の個人事業でも、企業との準委任契約(成果物を納めるのではなく、業務そのものを引き受ける契約の形です)なので、実印が必要な場面がありません。自分の印鑑を出す場面は宅配便の受け取りくらいでした。

調べてみると、実印は「買えばすぐ使える」ものでもありませんでしたので、同じような立ち位置の方に向けて、私が調べたことをまとめておきます。

この記事でわかること

  • 相続の手続きで、誰の実印が必要になるのか
  • 市区町村で印鑑登録できない印鑑の条件(意外と厳しめです)
  • 素材・サイズ・書体を、迷わない順番で決める方法
  • ハンコ屋さんに行かず、通販で作るときの選び方
  • 作ったあとにやっておく登録と保管のこと

相続で必要になるのは「相続人全員」の実印

私が勘違いしていたのは、ここでした。

遺産の分け方が決まると、遺産分割協議書という書類を作ります。誰がどの財産を引き継ぐかを書いた、相続人全員の合意書のようなものです。この書類には相続人全員が実印を押し、全員分の印鑑証明書を揃えます。

不動産があれば法務局での相続登記に、預貯金の払い戻しや有価証券の名義変更にも、この一式が要ります。亡くなった方の印鑑ではなく、残された側が押すわけです。

そして、これには期限ができました。2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したと知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になり得ます。施行前に起きた相続にもさかのぼって適用され、その場合の期限は2027年3月31日です。

兄弟姉妹が何人かいると、全員が実印を持っていて、全員が印鑑証明書を取れる状態でなければ、書類が完成しません。誰か一人が「実印がない」となれば、その人の登録が終わるまで手続きが止まってしまいます。遠方に住んでいる方がいる場合は、これがなかなか進まないそうですね。

期限のある手続きの中心に、実印がぽつんと存在している。そう気づいたのが、実印について調べ始めたきっかけでした。

「印鑑を買う」と「実印になる」は別の話

もうひとつ知らなかったのが、実印というのは特別な印鑑を買うことではない、ということです。市区町村に登録した印鑑が実印になる。ただそれだけの仕組みです。

逆に言えば、登録できなければ実印にはなりません。そして登録には一定の条件があります。多くの自治体で、次のような印鑑は断られます。

登録できない印鑑 理由
印影が一辺8mmの正方形に収まる小さいもの/一辺25mmの正方形に収まらない大きいもの サイズの規定から外れるため(下限は自治体差あり)
ゴム印など、変形しやすい材質のもの 押すたびに印影が変わってしまうため
縁が欠けている、摩耗して印影が不鮮明なもの 照合ができないため
住民票の氏名(旧氏・通称等を含む)を表していないもの 本人の特定ができないため
大量生産された、いわゆる三文判 同じ印影の印鑑が他にも存在するため

特に気をつけたいのが、下から2つです。「家にある印鑑で登録すればいいや」と思っていると、それが100円ショップで買った三文判だった、縁が欠けていた、という話になりかねません。窓口で断られれば、印鑑を買うところからやり直しです。

すでに実印を登録している方も、一度その印鑑を見てみてください。何十年も使っていると、縁が欠けたり印影が薄くなったりします。その状態で相続の書類を押しても、照合できずに差し戻される可能性があります。

なお、登録できる印影の下限サイズは自治体によって違い、標準より小さいものを認めている市もあります。手元の印鑑が微妙な大きさのときは、お住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してみてください。

実印の選び方は、この順番で決めると迷わない

印鑑の通販サイトを開くと、素材も書体も種類が多くて手が止まります。私は次の順に絞っていきました。

ステップ1 サイズを決める

決まっているのは登録できる範囲(おおむね8mm超〜25mm未満)だけで、その中なら自由です。慣習としては、実印は銀行印や認印より大きくするのが一般的で、男性は16.5mmか18.0mm、女性は13.5mmか15.0mmがよく選ばれます。

ここで大事なのは、手元にある他の印鑑と重ならないサイズにすることです。実印・銀行印・認印を同じ大きさで作ると、あとから見分けがつかなくなります。押してみるまでどれがどれだかわからない、という状態は避けたいところです。

ステップ2 素材を決める

素材 特徴 向いている人
柘(つげ)などの木材 価格が手ごろで軽い。乾燥や湿気には弱め 費用を抑えたい方
黒水牛・オランダ水牛 粘りがあり欠けにくい。実印の定番 迷ったらこれ、という一本
チタン 摩耗や欠けにきわめて強く、朱肉のなじみもよい。重量感がある 一生ものにしたい方
水晶などの天然石 見た目が美しい。硬い一方で落下には注意 贈り物にしたい方

実印は何十年も使う可能性があります。欠けたら登録し直しになることを考えると、多少高くても欠けにくい素材を選ぶほうが、結果的に手間もお金も少なくて済みます。私は黒水牛かチタンで迷いました。

ステップ3 書体を決める

実印には、読みにくい書体が向いています。偽造されにくいからです。篆書体(てんしょたい)印相体(いんそうたい)という書体がよく使われるようです。印相体は文字が枠に接するように配置されるため、縁が欠けにくいという実用上の利点もあります。

読みやすさを重視して古印体や隷書体を選ぶ方もいますが、それは認印向きの発想です。実印は「読めなくていい」と割り切って構いません。

ステップ4 彫り方を確認する

完全な手彫りの印鑑は高価で、納期もかかります。通販の主流は、機械で粗彫りしたあと職人が手で仕上げる方式です。同じ印影が生まれないという実印の要件は、この方式でも満たせます。

ハンコ屋さんに行かずに作るなら

近所にハンコ屋さんがなく(最近は少ないですよね)、通販で探してみました。いくつか見た中で、私が候補にしたのがはんこプレミアムという印鑑の専門通販店です。決め手になったのは次の点でした。

  • 彫る前にデザインを確認できる:メールで印影の画像が届き、納得してから彫刻に進みます。実物が届いてから「思っていた雰囲気と違った」と気づく心配がありません
  • 10年間の保証がついている:通常の使用で欠けたり摩耗したりした場合に対応してもらえます。実印は長く使うものなので、この期間の長さは効いてきます
  • 価格がわかりやすい:実印は2,080円から、実印・銀行印・認印の3本セットは5,180円から。合計5,400円以上で送料無料です(2026年7月時点)
  • 急ぎにも対応できる:平日14時までの注文で当日出荷に対応するオプションがあります。相続の手続きは急に動き出すことがあるので、これは心強いところです
  • 素材とサイズの選択肢が広い:柘や黒水牛といった定番から、チタン、天然石まで揃っています

私のように実印を一本も持っていない場合、3本セットで実印・銀行印・認印をサイズ違いでまとめて作れるのはありがたい選択肢でした。最初にきちんと分けておけば、あとは何十年も悩まずに済みます。

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作ったあとに、ふたつだけやっておくこと

印鑑が届いて終わりではありません。冒頭に書いたとおり、登録してはじめて実印になります。

手続きは、本人が印鑑と本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)を持って市区町村の窓口に行くだけです。その場で印鑑登録証(カード)が発行され、以後はそのカードで印鑑証明書を取れるようになります。多くの自治体では、コンビニ交付にも対応しています。

もうひとつは、保管の仕方です。実印と印鑑登録証は、別々の場所にしまってください。ふたつ揃うと、他人でも印鑑証明書を取得できてしまいます。そのうえで、家族の誰かには置き場所を伝えておく。矛盾するようですが、この両立が実印の管理のコツだそうです。

親の相続を調べていて痛感したのは、「本人しか知らない情報」が一番やっかいだということでした。自分の実印を、同じ状態にするわけにはいきません。

まとめ

  • 相続の手続きで必要なのは、亡くなった方ではなく相続人全員の実印と印鑑証明書
  • 2024年4月から相続登記が義務化され、3年という期限がついた
  • 印鑑は買っただけでは実印にならない。市区町村に登録してはじめて実印になる
  • 三文判・ゴム印・欠けた印鑑は登録できない。窓口で断られると買い直しから
  • 選ぶ順番は「サイズ → 素材 → 書体 → 彫り方」。他の印鑑と違うサイズにするのが要点
  • 実印は欠けにくい素材を選ぶと、作り直しの手間を減らせる
  • 作ったら登録し、印鑑とカードは別々に保管して、置き場所は家族に伝えておく

実印は、必要になってから作るものではないんだな、というのが調べてみての実感です。必要になる場面というのは、たいてい期限が決まっていて、しかもこちらの都合ではやってきません。

両親が元気なうちに気づけたのは、運がよかったと思っています。まだ何も予定がない今のうちに、一本きちんとしたものを用意しておく。50代のうちにやっておくと後々ラクになることのひとつでした。

※印鑑登録の可否や必要書類は市区町村によって異なります。実際の手続きの際は、お住まいの自治体の窓口・ホームページで最新の情報をご確認ください。

※相続の手続きや相続登記の期限については2026年7月時点の制度に基づいて書いています。個別の判断は司法書士など専門家にご相談ください。