心を豊かにする時間

50代からの心の整え方:ローカス・オブ・コントロールを味方につける実践法

のんびりおじさん

こんにちは、「のんびりおじさん」です。 地方の海の近くに暮らしながら、静かでマイペースな生活を楽しんでいます。このブログでは、そんな“スローな暮らし”の中で気づいたことや、日々の小さな幸せを、ぽつぽつと綴っています。

50代という年代は、人生の中でも特に変化が多く訪れる時期です。

仕事では責任あるポジションを任される一方で、定年や再雇用といった将来への不安が現実味を帯びてきます。

家庭では、子どもの独立や親の介護といった役割の変化が起き、同時に自分自身の健康や体力の衰えも感じやすくなります。

こうした複雑な状況の中で、「自分にはどうにもできない」と無力感を感じたり、「運が悪かった」と環境のせいにしてしまいたくなることもあるでしょう。

しかし、そんなときこそ自分自身の考え方に目を向けることが大切です。

今回は、心理学の概念「ローカス・オブ・コントロール(統制の所在)」を取り上げ、自分の心を整える実践法について詳しくご紹介します。

ローカス・オブ・コントロールとは?

「ローカス・オブ・コントロール」とは、1960年代に心理学者ジュリアン・ロッターによって提唱された概念で、「人が出来事の原因をどこに見出すか」に関する考え方です。

  • 内的コントロール型(自分次第と思うタイプ)
    自分の努力や判断が人生の結果を決めると考える人。
    失敗しても「自分に足りなかった」と捉え、改善しようとする傾向があります。
  • 外的コントロール型(環境や他人の影響を重視するタイプ)
    成功も失敗も運や他人のせいと考える人。
    「あの上司じゃ無理だった」「タイミングが悪かった」と外部要因に目が向きがちです。

どちらの傾向が強いかは人それぞれですが、自分のコントロール感覚を認識することで、ストレスへの対処や行動の選択がしやすくなります。

なぜ50代にこそ必要なのか?

50代になると、これまでの人生で積み重ねてきたものと向き合う時期でもあります。

「このままで良いのか」「もう遅いのではないか」といった不安や迷いが出てくることも珍しくありません。

また、自分の力ではどうにもならない問題(職場の人間関係、社会の変化、家族の状況など)に直面する機会も増えるため、内的コントロール感が弱まると、無力感や疲労感が募ります。

そこで、「自分にできること」に焦点を当てる考え方=内的コントロールを意識することが、心の安定や前向きな行動につながるのです。

セルフチェック:あなたのローカス・オブ・コントロールはどちら?

自分の「統制の所在(ローカス・オブ・コントロール)」の傾向を知ることは、ストレスマネジメントや行動選択の質を高めるうえで非常に役立ちます。

以下の質問に対して「はい」または「いいえ」で答えてみてください。自分の思考パターンを見つめ直すヒントになります。

質問番号 質問内容 はい いいえ
1 成功も失敗も、最終的には自分の努力や選択によるものだと思う。
2 物事がうまくいかないとき、他人を責めるよりも自分にできる対策をまず考える。
3 仕事や家庭でトラブルが起きた際、自分の言動を振り返り、改善点を探すことが多い。
4 目標を立てたとき、達成のために自分がどのような行動を取ればよいかを考える。
5 周囲の状況が悪くても、自分の態度や考え方で物事は変えられると信じている。
6 「どうせ何をやっても意味がない」と感じることがよくある。

判定の目安:

  • 質問1~5に「はい」が多い方は、内的コントロール志向が強い傾向があります。
  • 質問6に「はい」がある、または1~5に「いいえ」が多い場合は、外的コントロールの傾向が見られるかもしれません。

このセルフチェックは、あくまで現時点での傾向を知るための参考情報です。

どちらの傾向も状況によって変わるものですが、まずは「自分をどう捉えているか」を意識することが、変化への第一歩となります。

内的コントロールを育てる4つの実践法

1. 言葉づかいを変える

日々の口ぐせを見直してみましょう。

「どうせ無理」「またダメだった」ではなく、「やってみよう」「次はこうしよう」と前向きな言葉を使うことが、自然と行動を変える第一歩になります。

2. 小さな成功体験を積み重ねる

大きな目標にとらわれず、「今日できたこと」に注目することが大切です。

「朝早く起きられた」「散歩を習慣にできた」「家族と丁寧に話せた」など、日常の中の達成感を積み重ねることで、自分への信頼感が育ちます。

3. コントロールできること・できないことを明確にする

起きた出来事に対して、「これは自分が影響を与えられるか?」と自問するクセをつけてみましょう。

自分で変えられる部分(態度、考え方、行動)にエネルギーを注ぎ、変えられないこと(他人の気持ち、社会の流れ)には過度にとらわれないようにすることが、心の安定につながります。

4. 学びと成長を習慣にする

本を読む、新しい趣味を始める、セミナーや講座に参加するなど、自分で「選び」「学び」「成長する」経験を積むことも、内的コントロール感を高めるのに有効です。

「自分にはまだ伸びしろがある」と実感できれば、毎日がもっと充実したものになります。

ローカス・オブ・コントロールで人生をより豊かに

実際にローカス・オブ・コントロールを意識して変化を実感した方もいます。

部署異動により新しい業務に戸惑っていたAさん。

最初は「なんで自分だけがこんな目に」と感じていたそうですが、「自分にできること」をノートに書き出し、毎日一つずつ実践することで、次第に状況が好転していきました。

職場の人間関係も改善し、「自分の行動で状況が変えられる」という感覚が持てたことで、大きな自信につながったそうです。

視点を変えるだけで、同じ出来事も違った意味を持つようになる――それがローカス・オブ・コントロールの力です。

おわりに

50代は「終わり」ではなく、「次のステージへの入り口」です。

ローカス・オブ・コントロールを意識することは、自分の人生を他人任せにせず、自らの手で未来をつくっていくという意思表示でもあります。

変化の多いこの年代だからこそ、「自分にできること」に目を向け、前向きな一歩を踏み出してみましょう。

今日の選択が、明日の自信と希望につながっていきます。