年齢を重ねるにつれ、「今あるお金をどう守るか」「将来に向けてどう活かすか」といった資産の管理に目を向ける方が増えてきます。
特に定年退職後は収入が限られるため、なるべくリスクを抑えてお金を運用したいという声も多く聞かれます。
そんな方に選ばれているのが、「個人向け国債」です。
目次
こんな方におすすめ
個人向け国債は、以下のような方にぴったりの資産運用の選択肢です。
- 定年後の退職金や貯蓄を、減らさずに守りたいと考えている方
- 銀行預金の利息に物足りなさを感じている方
- 投資は初めてで、株などの値動きが激しい商品には抵抗がある方
- 少額からでも、安心して運用を始めたい方
- 今後の金利上昇をチャンスにしたいと考えている方
個人向け国債とは?
日本政府が発行する個人向けの債券で、簡単に言えば「国にお金を預けて利子を受け取る」仕組みです。
半年ごとに利子が支払われ、満期を迎えれば元本が返ってきます。
政府が元本と利子の支払いを保証しているため、リスクは非常に低く、安定した資産運用が可能です。
金利は最低でも年0.05%の保証があり、どれだけ金利が下がってもゼロにはなりません。
1万円から購入でき、少額で始められるのも魅力のひとつ。
注意点としては、購入から1年間は解約できない点があります。
ただし、それ以降は途中解約も可能です。
選べる3つのタイプ
個人向け国債には、以下の3タイプがあります。
- 変動金利型10年満期(変動10年)
- 固定金利型5年満期(固定5年)
- 固定金利型3年満期(固定3年)
変動型は半年ごとに金利が見直されるため、現在(2025年5月現在)のように金利が上がっている局面では注目度が高まります。
一方、固定型は購入時に金利が確定するため、将来的に金利が下がるかも知れないときに購入すると有利です。
安定を重視するなら固定金利型、将来の金利上昇に期待したいなら変動型が合っています。
なぜ今、金利が上がっているのか
物価上昇や財政赤字の拡大、政府の支出増などが重なり、国債の利回りは上昇傾向にあります。
日本銀行も金融引き締めに動いており、金利上昇の背景となっています。
2025年5月時点で、変動金利型10年の利率は0.84%。
6月には1%を超える可能性もあり、今のような時期は良い投資のタイミングとして注目されています。
購入時のキャンペーンも活用しよう
個人向け国債は、銀行、証券会社、ゆうちょ銀行、JAなど、さまざまな金融機関で購入できます。(金融機関によっては、事前に口座開設が必要です。)
商品内容は共通ですが、購入時にキャンペーンを行っているところもあります。
たとえば、現金のプレゼントやポイント還元など。内容は月ごとに変わるため、複数の金融機関を比較して選ぶのが賢い選択です。
預金との違いを比べてみよう
定期預金も安全性の高い選択肢ですが、個人向け国債のほうが金利面では有利なことが多く見られます。
また、預金保険制度では1,000万円までの保証に限られますが、国債は政府が全額を保証しています。
一方で、資金をすぐに引き出したい場合などは、定期預金の方が柔軟な場合もあるため、それぞれの特性に応じた選択が必要です。
購入と解約の流れ
購入は1万円から可能で、ネットバンキングを使えば自宅からでも申し込みできます。
毎月募集期間が設定されており、そのタイミングで購入します。
原則として1年間は解約できませんが、それ以降は中途換金することも可能です。
換金時には所定の計算式に従って利子の一部が差し引かれるため、できれば満期までの保有がおすすめです。
まとめ
個人向け国債は、安全性と安定した利回りを両立した、非常にバランスの良い金融商品です。
特に、今のように金利が上がってきている時期は、始めるには良いタイミングといえるでしょう。
預金や他の投資商品と比較しながら、自分に合った方法で無理なく資産運用を始めてみてください。
少額からでも一歩を踏み出すことが、将来への安心に確実につながっていきます。