毎年のように猛暑が続き、熱中症のリスクが高まる季節。
特に高齢者は、体温調節機能の低下や喉の渇きを感じにくくなることで、熱中症にかかりやすくなります。
今回は、シニア世代の方向けに、日常生活で無理なくできる熱中症予防と、夏の食事の工夫についてご紹介します。
目次
なぜ高齢者は熱中症になりやすい?
高齢になると、汗をかく機能や暑さを感じる感覚が鈍くなり、体に熱がこもりやすくなります。
さらに、喉の渇きに気づきにくいため、水分不足が進行しても自覚しにくいのです。
その結果、気づかないうちに熱中症になるリスクが高まります。
基本は「こまめな水分補給」
水分補給は、熱中症対策の基本中の基本です。喉が渇いたと感じたときには、すでに軽い脱水状態になっていることも。
意識的に、こまめに水分をとる習慣をつけましょう。
水分補給のコツ
- 1回につきコップ1杯(約200ml)を目安に
- 起床時、食事時、入浴前後、就寝前に補給
- 外出時は水やお茶を持ち歩く
水分は食べ物からも摂れる
水分補給は飲み物だけでなく、野菜や果物などの食材からも可能です。
夏に旬を迎える食材は、水分が豊富で栄養もたっぷりです。
水分が多いおすすめ食材
- トマト、キュウリ、ナス、スイカ、メロン
- 冷やし茶碗蒸し、ゼリー、冷やしうどん
ミネラルもしっかり摂ろう
汗をかくと、水分だけでなく塩分やミネラル(電解質)も失われます。
これが不足すると、脱力感や筋肉のけいれんを引き起こすことがあります。
ミネラルを含む食材
- ナトリウム:味噌汁、梅干し、漬物
- カリウム:バナナ、ほうれん草、トマト、納豆
- カルシウム・マグネシウム:牛乳、ヨーグルト、ひじき、ゴマ
※塩分制限のある方は、かかりつけ医の指導に従って調整してください。
スポーツドリンクと経口補水液の違い
汗を大量にかいたときや外出時は、スポーツドリンクや経口補水液の活用も有効です。
ただし、それぞれ用途が異なるため使い分けが必要です。
- スポーツドリンク: 軽い脱水時に適し、適度な糖分と塩分を含む
- 経口補水液: 発熱や下痢による脱水時に使用(日常的な水分補給には不向き)
スポーツドリンクは糖分が多めなので、飲みすぎには注意が必要です。
食欲がないときの工夫
夏バテで食欲が落ちてしまうと、必要な水分や栄養も摂れなくなってしまいます。
そんなときは、食べやすいメニューを意識しましょう。
食欲を保つ工夫
- さっぱりした冷たい料理(冷やしうどん、冷やし茶碗蒸し)
- 香りの良い薬味(しそ、生姜、みょうが)で食欲増進
- 小分けにして、1日3食しっかり食べる
食事が難しい場合は、栄養補助ゼリーなどをうまく活用するのも一つの方法です。
日常生活でできる熱中症予防
食事と水分だけでなく、生活環境にも気を配りましょう。
- 室温は28℃以下を目安に、エアコンを我慢しない
- 外出は涼しい時間帯に
- 帽子・日傘・冷却グッズを活用
- 朝晩の体調チェック(体温・血圧など)を習慣に
「暑さを我慢する=美徳」ではありません。体を守ることを優先しましょう。
まとめ
高齢者の熱中症は、予防することが何より大切です。
水分・塩分・栄養をしっかりとり、生活の中に暑さ対策を取り入れることで、夏も元気に過ごせます。
無理せず、自分の体と相談しながら、日々の食事や生活を見直してみましょう。