「意見が合わない」「話しても平行線」─そんな経験、ありませんか?
これは夫婦、家族、ご近所付き合いなど、年齢を重ねるほど増えてくるテーマかと思います。
今回のテーマにあげるのは、そんな場面で役立つ「大人の交渉術」。
ヒントは、アメリカの「マールアラーゴ合意」と呼ばれる、世界のリーダー同士の“対話”の場。
たとえ意見がぶつかっても、落としどころを探る─私たちの暮らしにも通じる、大切な考え方です。
目次
なぜ今「交渉力」が大切なのか?
人生100年時代、家族や地域との関わりはますます長く、そして深くなっていきます。
- 夫婦間での家事・お金・健康についてのすり合わせ
- 子ども世代との介護・相続の話
- 自治会や地域活動での意見の食い違い
こんなとき、「ただ我慢する」だけではストレスがたまり、「ただ主張する」だけでは関係が悪化してしまいます。
だからこそ、“うまく交渉する力”が、これからのシニア世代には欠かせないのです。
大人の交渉術・3つの基本
① 相手の立場を尊重する
交渉は、勝ち負けではありません。
「わかってもらう前に、まず相手を理解する」という姿勢が何よりも大切です。
たとえば、自分の感情をそのままぶつけるのではなく、「こうしてくれると助かるな」と、それとなく事実と希望をやさしく伝えることで、話し合いはスムーズになります。
② Win-Win を意識する
どちらかが我慢するのではなく、双方が納得できる“落としどころ”を探すのが理想です。
たとえば、「家事の分担が難しいなら、掃除は私・買い物はあなた」といった具合に、お互いの得意分野や体力に合わせて調整することも交渉の一つです。
③ クールダウンも大切な“技術”
言い合いになりそうなときは、いったん間を置くことも必要です。
「ちょっと時間を置いて、また話そう」と冷静さを保つことで、不要な衝突を避けられます。
身近にある“ちいさな交渉”の例
- 夫婦で「家計管理のルール」を話し合った
- 娘夫婦と「介護の役割分担」を穏やかに決めた
- 町内会での役割を、やんわりと断っても円満に収まった
こうした何気ない“対話の積み重ね”が、暮らしを穏やかにし、人間関係を良好に保つカギになります。
まとめ:人生後半こそ「対話の技術」で豊かに生きる
マールアラーゴでの議論のように、どんな立場でも「対話で歩み寄る」姿勢が求められています。
私たちも、「主張する」より「伝え合う」を意識するだけで、ずっと人間関係がラクになるはずです。
争わずに、でも我慢せずに。
相手を大切にしながら、自分の思いも伝える。
それが、シニア世代の“しなやかな交渉力”なのかもしれません。
この記事が、「ちょっとした話し合いが苦手…」という方のお役に立てれば嬉しいです。